東部ブロック8月例会

 今夜は、東部ブロック8月の例会が9名の参加で開催されました。

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 テーマは「税務実例・判例検討」で、今回は豪華に3人の報告者からの報告がありました。

 山本恵子会員から「取引相場のない株式の譲渡」が相続税法7条の「みなし贈与」には該当しないとした事例(東京地判平17.10.12・税資255号順号10156・Z255-10156(確定))の紹介があり、実務上取引相場のない株式を売買するときは、価額設定に十分注意する必要があること、本件では、課税庁主張の「特別の事情」はすべて排斥されましたが、個人株主同士、個人株主と法人との場合の課税関係を確認しながら、事業承継対策や節税対策として、経済的合理性のない売買は租税回避行為として否認される恐れがあるので注意したいと討論されました。


 次に、堀口悦夫会員から、例会で度々話題になり一度確認しておきたかった「ふるさと寄付金」制度について、具体的な計算方法を条文や総務省の資料等で計算しました。
 上限はあるものの、この制度を旨く利用すると、所得税と住民税でかなりの額が控除される結果となります。


 清水加代子会員からの報告は「低額譲受に関する実例と検討」で、所得税法59条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例、60条(贈与等により取得した資産の取得費等)を詳細に確認しながら、低額譲渡の課税関係につき、歴史的な変遷を踏まえて、全員で熱心な議論となりました。

 時価の2分の1に満たない金額で資産を譲渡した場合に、いわゆる時価で資産を譲渡したとみなされるのは、法人に対する譲渡だけであること、個人間の低額譲渡ではみなし譲渡の規定の適用はなく、その代わり譲受人の側で贈与税が課税され、贈与者等の資産の取得時期及び取得価額を引き継ぐことなど、2月例会で木村金蔵会員から報告があった「譲渡実務20事例」の資料なども参考に、実例と照し合せながら検討しました。

 また、相続税評価額を基礎とする価額と「時価」につき争点となった判決(東京地判平19.8.23)から、取得費が不明な場合に、国土交通省の外郭団体である一般財団法人日本不動産研究所が半年ごとに公示される地価を基礎に発行されている統計表「市街地価格指数・全国木造建築費指数」を使って取得費を求める方法について、関本秀治会員から紹介もあり、猛暑の中参加した会員にとって有意義な例会となりました。
by toco_tax | 2012-08-22 23:32 | 仕事のこと | Comments(0)
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